計算方法と根拠
正味現在価値(NPV)法
中小機構 J-Net21 の解説では、企業の資本コストを割引率とし、投資から得られる年々のキャッシュフローを割り引いて将来キャッシュフローの現在価値を求め、投資の正味現在価値=(投資によるキャッシュフローの割引現在価値)−投資額で採算を見ます。
キャッシュフローと割引
キャッシュフローは当期利益+減価償却費です。毎年同じ額が年末に入るものとして、n 年目の現在価値を キャッシュフロー÷(1+割引率)の n 乗で求めて合計します。割引率の具体的な決め方(資本コストの求め方)は解説にないため、入力した値をそのまま使います。
計算例
投資 600 万円、毎年のキャッシュフロー 180 万円、6 年、割引率 5%なら、現在価値の合計は約 913.6 万円、NPV は約 313.6 万円です。
使っている式
| 名前 | やっていること | 式 |
|---|---|---|
| 毎年のキャッシュフロー | 当期利益に減価償却費を足した額です。 | cf = pl + dep |
| 割引率(小数) | 割引率を小数に直した値です。 | r = rate / 100 |
| キャッシュフローの割引現在価値の合計 | 毎年のキャッシュフローを、年末に発生するものとして割り引いた現在価値の合計です(年金現価の式)。 | pvSum = if(rate == 0, cf * yrs, cf * (1 - pow(1 + r, 0 - yrs)) / r) |
| 正味現在価値(NPV)(結果) | 割引現在価値の合計から投資額を引いた額です。プラスなら、割引率で見たときに投資額を上回ります。 | pvSum - inv |
| キャッシュフローの割引現在価値の合計(結果) | 毎年のキャッシュフローを現在の価値に直した合計です。 | pvSum |
| 毎年のキャッシュフロー(結果) | 当期利益+減価償却費です。 | cf |
| 現在価値の合計÷投資額(結果) | 1 を超えれば、割引後でも投資額を上回ります。 | pvSum / inv |
期ごとの繰り返し計算
年ごとの現在価値と累計
毎年のキャッシュフローを割引率で現在の価値に直し、累計から投資額を引いた額を示します(年末に発生すると仮定)。
- 最初の cum =
0 - キャッシュフロー =
cf - 現在価値 =
cf / pow(1 + r, n) - 現在価値の累計 =
cum + pvy - 累計から投資額を引いた額 =
cumpv - inv - 次の期に渡す cum =
cumpv
期の数 = yrs。
式の記法: + - * / ^(べき乗)、かっこ、min / max / round / ceil / floor / pow / abs / sqrt、if(条件, 真のとき, 偽のとき)。round(x, 桁) は四捨五入、ceil は切り上げ、floor は切り捨てです。
設定値(定数)と出典
この計算では、税率や料金表などの外部の設定値は使っていません。数学的な定義の式だけで計算しています。
入力できる範囲
| 項目 | 範囲 | 初期値 |
|---|---|---|
| 設備投資の額 | 1〜100,000,000,000円 | 6,000,000円 |
| 投資による毎年の当期利益の増加見込み | -100,000,000,000〜100,000,000,000円 | 800,000円 |
| 毎年の減価償却費 | 0〜100,000,000,000円 | 1,000,000円 |
| 使う年数 | 1〜40年 | 6年 |
| 割引率(資本コスト) | 0〜50% | 5% |
結果は、同じ条件なら本サイトのどのページでも同じ数字になります(ページの数字も、計算ツールも同じ計算の仕組みで出しています)。
ご利用にあたって
- 毎年のキャッシュフローが同じで年末に発生する仮定の概算です。実際は年ごとに変わります。割引率の決め方によって結果が大きく変わります。
- 税金・借入の金利・運転資金の増加・設備の残存価額は含めていません。設備投資の採否・資金調達の判断の代わりにはなりません。
- 割引率の具体的な算出方法は、参照した解説にないため、利用者が入力する前提にしています。